(最高裁判決の論点解説)外国通貨により他の種類の外国通貨又は同一の外国通貨建ての有価証券を取得した場合、その取引の時点で為替差益が実現し、その円換算額が「収入すべき金額」となる【最高裁令和8年6月16日第三小法廷判決】

はじめに  外貨建取引に係る所得税法の規定は薄い。円換算を定める57条の3と、これを補完する施行令167条の6があるにとどまり、為替差損益の実現時期も、所得区分も、外貨の取得価額の計算方法も、条文には書かれていない。この規定の薄さを、通達・質疑応答事例・下級審裁判例の積み重ねが支えてきたというのが、これまでの実務の実像である。  本判決は、外国通貨により他の種類の外国通貨又は同一の外国通貨建ての有価証券を取得する取引について、その時点で為替差益が実現し、所得税法36条1項にい

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